FM Towns: Free Software Collection 7/FM Towns Free Software Collection 7.iso/taropyon/hewin/hewin.doc

Text File | 1993-11-30 | 30KB | 658 lines

==========================================================================
            Super Application Processor HEwin version 1.01c
                                        (C) Copyright 1992,1993, TaroPYON
==========================================================================


**************************************************************************
                       ＨＥｗｉｎの特徴
**************************************************************************

　HEwin は様々なアプリケーションを内蔵しており，マルチウィンドゥ環境で使用
することができます。
　内蔵されているウィンドゥ・アプリケーションは以下の７つです。

    (1) アプリケーションセレクタ
    (2) ファイルマネージャ
    (3) DOS コンソール
    (4) 通信ターミナル
    (5) テキストエディタ
    (6) テキストバインダ
    (7) TIFFビュワー

　これ以外にも，様々な補助機能が備わっています。
　まずは，各ウィンドゥ・アプリケーションの役割と概要を紹介しておきます。


●アプリケーションセレクタ

    　アプリケーションセレクタはHEwin に内蔵されている様々なアプリケー
    ションやユーティリティ，DOS コマンドをアイテム登録して起動するメニ
    ュープログラムです。
    　TownsMENU と同じようなアイテム登録機能があり，マウス操作により簡
    単に各アプリケーション，ツールの起動が行えます。
    　また，グループアイテムを作ることもできますので，機能別・目的別に
    アイテムを管理することもできます。

    ※  TownsMENU にも「アイテム登録」がありますが，HEwin の中では特
        にことわりのない限り「アプリケーションセレクタのアイテム登録」
        を表します。


●ファイルマネージャ

    　ファイルマネージャはファイル操作・管理を行うアプリケーションです。
    　この機能により，HEwin はファイル操作・管理ツールとしても威力を発
    揮します。
    　ファイルマネージャと他の内蔵アプリケーションとの連携も強力で，フ
    ァイル名をダブルクリックてし内蔵のテキストエディタに読み込ませたり，
    TIFFビュワーで表示したり，ドラッグ＆ドロップによってファイルの複写，
    通信ウィンドゥでアップロードする，といったこともできます。


●DOS コンソール

    　DOS コマンドを実行するためのウィンドゥです。簡単なCD辞書検索機能
    も付いています。
    　TownsOS に付いているコンソール機能とは違い，HEwin の中からDOS コ
    マンドを実行しますので使用できるメモリが非常に少なくなっています（
    状況にもよりますが，リアルメモリは130～200Ｋバイト程度しか使えませ
    ん）。
    　また，コンソールVRAM等はエミュレートしていませんので，ごく単純な
    画面出力を行うコマンドしか実行できません。
    　ごく，簡単なDOS コマンドならHEwin を終了することなく実行すること
    ができますので，そういったケースには威力を発揮します。


●通信ターミナル

    　パソコン通信を行うためのウィンドゥです。
    　強力なウリはないですが，テキストのアップ・ダウンロード，X-Modem，
    B-Plusプロトコルのサポート等，基本的なところはおさえてあります（テ
    キスト編集機能やファイルマネージャとの連携プレーは強力と言えるかも
    しれませんが）。
    　センター登録機能を持っており，登録されているセンターについては指
    定の項目を設定するだけでアクセスできます（今のところセンター登録さ
    れているのはNIFTY-Serve だけなのですが…）。


●テキストエディタ

    　テキスト編集を行うウィンドゥで，強力な編集機能を備えており，HEwin
    の目玉となる機能です。
    　HEatのテキスト編集機能もそれになりに強力でしたが，HEatは出発点が
    MML の記述が目的でしたからどうもしても限界がありました。
    　HEwin ではHEatのテキスト編集機能を全面的に見直し，再設計・再プロ
    グミングしました。操作体系はHEatに似ていますが，中身はまったく別も
    のです。
    　マルチウィンドゥシステムになったことで表示速度が多少遅くなってま
    すが，機能的にはHEatよりも数段上の実力を備えています。
    　その，特色はとてもここには書ききれないくらいですが，HEatと比べる
    と以下のような特色があります。
        ・巨大なテキストを読み込んでも処理速度が低下しない。
        ・8×16ドット，6×12ドットフォントの切替えが可能
        ・カット＆ペースト機能が強力（行単位，矩形範囲のカット＆ペー
          ストが可能）
        ・検索・置換に正規表現が使える（複数パターンの一括置換も可能）
        ・テキスト中の任意の矩形範囲が編集可能
        ・罫線のサポート
    　この他にも，HEatゆずりの複数回数のUNDO機能，行番号表示や桁位置ゲ
    ージ，カーソル行アンダーライン等の多彩な表示設定なども健在です。


●TIFFビュワー

    　TIFF画像データの表示を行うウィンドゥです（テキスト編集機能に比べ
    るとほとんどおまけ的な機能です）。
    　HEwin は16色画面モードで動作していますので，16色モードの画像デー
    タしか表示することができません。
    　ただし，32Ｋ色モードの画像データは８色でタイリング表示を行います。


　以上のアプリケーションの他にも様々な特徴があります。
　ざっと紹介しておきますと，

    ・複数のファイルに対して，検索・置換ができるテキストバンイダを装備
    ・階層ファイルリスタを備えた強力なファイルダイアログを装備
    ・文字列入力に関しては，各所でUNDO，ヒストリが使用可能。
    ・Ｃ言語インタプリタCCI を内蔵し，様々な機能がプログラミング可能
    ・画面保護機能（いわゆるスクリーンセーバ）
    ・タイマー機能
    ・ＢＧＭ機能（EUP 形式とスタンダードMIDIファイル形式のMIDI用演奏デ
      ータをBGM にできる）。

などなど…。


**************************************************************************
☆  使用，転載，再配付について
**************************************************************************

　HEwin は著作権は放棄していません。
　以下の条件に従って自由に使用してください。

    1.  著作権表示を変更しないこと。
    2.  HEwin を使用したことによって生じた損害はまったく保証しない。
    3.  作者はこのプログラムに不備があっても，それを訂正する義務を負わ
      ない。
    4.  収録されているすべてのファイルを一括して配付すること。
    5.  パソコン通信などによる転載・アップロード，雑誌・商品などに添付
      しての再配布は原則として禁止する。
    6.　CCI プログラミングキットでユーザーが作成した「CCI プログラム」
      については自由に転載，配付，発表してよいものとします。

　作者への連絡は，
        NIFTY-Serve           ID:PAH01170
まで願いします。


**************************************************************************
☆  ＨＥａｔとの違いについて．
**************************************************************************

　HEwin のテキストエディタは，HEatのテキスト編集機能をかなり継承しています
が，異なる部分も多少あります。
　ここでは，HEatユーザーがHEwin を触ったときに戸惑いそうな部分を説明してお
きます。


●キー配置について，

　キー配置は共通して存在する機能についてはHEatとだいたい同じです。
　ただし，PFキーの配置が多少変更されています。
　HEatでは[SHIFT]＋[PF6]がUNDOだったのが，HEwin ではカットバッファの行選択
となっています。
　UNDOはHEwin では[SHIFT]＋[PF11]または[CTRL]＋[B]となっています。


●[ESC]キーの動作について，

　HEatではカットバッファの選択中に[ESC] キーを押すと動作の取消ができました
がHEwin では常にESC プレフィクスとなります。HEwin でカットバッファの選択を
中断したいときは[取消]キーかもういちどカットバッファの選択開始キーを押して
ください。


●キーボードログについて，

　HEwin ではキーボードログの記憶・再生キーをカスタマイズによって自由に変更
できるようにしたため，記憶・再生キーはテキスト編集中でしか操作できなくなり
ました（HEatではどのような場面でも記録・再生できましたが）。
　キーボードログの記憶・再生はテキスト編集以外の場面でも有効なのですが（記
憶・再生動作は継続して行われる），開始と終了の指定がテキスト編集中でしかで
きないのです。
　テキスト編集以外の場所（ダイアログやメニューを開いた時点等）でキーボード
ログの記憶を終わりにしたいときは，マウス操作によってテキスト編集まで戻り，
そこで[SHIFT]＋[PF1]を押し記憶終了してください。
　それと．HEatではキーボードログは最大256 操作までしか記憶できませんでした
が，HEwin では無制限（メモリの許すかぎり）となっています。


**************************************************************************
☆  ＣインタプリタＣＣＩについて，
**************************************************************************

　HEwin にはCCI と呼ばれるＣ言語インタプリタが内蔵されています。
　HEwin の各種状態・環境設定，カスタマイズ，機能拡張，等はCCI プログラムを
変更・追加することで可能です。
　CCI プログラムはHEWIN.CCI というファイル名で収録されていますが，収録され
ているHEWIN.CCI はプリプロセッサを用いて変換（マクロ置換）したものです。こ
のHEWIN.CCI を元に大幅に改造するのは大変困難です（コメントや文法上必要のな
い空白が削除されていますのでリストが非常に見にくくなっています）。
　サブディレクトリCCISRCの配下にHEWIN.CCI の元のソースリストが収録されてい
ますので，CCI プログラムの修正／改造にはそちらを利用してください。

　CCI のオリジナルはMIYAZAKI師匠によって開発されました。
　また，パーサジェネレータには森　公一郎氏の作成された "KM-yacc ver 2.0"
をHigh Cによって再コンパイルしたものを使用しました。
　両氏には，お礼申し上げます。


**************************************************************************
☆  ＢＧＭ機能について，
**************************************************************************

　HEwin のBGM 機能は，MIDIにのみ対応しています（内蔵音源用のドライバまで手
が回らなかったもので…）。
　CD-DA については，サイドワークで対応できるのでHEwin 本体ではサポートして
いません（CCI でプログラミングすればCDプレーヤくらい作れますが…）。

　演奏ドライバは以前発表したサイドワーク版スタンダードMIDIファイル演奏プロ
グラムSMFPLAY と同じものを使っています（本当はGSPLAYというプレーヤが最初に
あって，その演奏ドライバをサイドワークプログラムからでも動くようにしたのが
SMFPLAY で，HEwin にはGSPLAYの演奏ドライバをそのまま組み込んでいます。SMF-
PLAYとHEwin が内蔵音源に対応していないのは，元になったGSPLAYが未完成で内蔵
音源に対応していないからです…）。
　したがって，EUPHONY 形式とスタンダードMIDIファイル形式の演奏データファイ
ルを再生することができます。

　相性としては，EUPHONY 形式よりもスタンダードMIDIファイル形式のほうがいい
ようです。EUPHONY 形式の演奏データファイルを演奏するとHEwin の動作速度が極
端に遅くなるときがあります（マウスカーソルが飛びまくる…）。

　EUPHONY 形式の演奏データをHEwin のBGM にしたいときはスタンダードMIDIファ
イルに変換したほうがよろしいかと思います（スタンダードMIDIファイルのほうが
ファイルサイズも小さくなりますし）。
　EUPHONY 形式とスタンダードMIDファイル形式とのコンバータはHONESEN 氏のJ-MEC
があります。
　また，HEwin（GSPLAY，SMFPLAY）のスタンダードMIDIファイルの解析部もHONESEN
氏によるものです。
　HONESEN 氏には，お礼申し上げます。


**************************************************************************
☆  ネイティブモード子プロセスプログラムの起動について，
**************************************************************************

　HEwin はネイティブモード子プロセスプログラムの呼び出しをサポートしていま
す。
　現在のところ，起動できる子プロセスプログラムはLHX.EXP とZNSPLAY.EXP があ
ります。
　ネイティブモード子プロセスプログラムの起動は，アプリケーションセレクタに
アイテム登録して起動する方法と，DOS コンソールウィンドゥから起動する方法の
２つの方法があります。
　アプリケーションセレクタにアイテム登録するときは「DOS コマンド」として登
録します。
　DOS コンソールウィンドゥから起動するときは，起動したいネイティブモード子
プロセスプログラムは予めCCI を使って登録しておく必要があります（LHx は最初
から登録されています）。登録されたネイティブモード子プロセスプログラムは通
常のDOS コマンドと同じようにコンソールからコマンド名を入力して起動します。


**************************************************************************
☆  ファイル構成について，
**************************************************************************

　HEwin で使用される各種ファイル，拡張子の規則等を説明しておきます。


  ┌──────┬──┬────────────────────────┐
  │ファイル名  │TYP │内容                                            │
  ├──────┼──┼────────────────────────┤
  │HEWIN   .EXP│BIN │HEwin 本体実行プログラム                        │
  │HEWIN   .CCI│TXT │HEwin 用CCI プログラム                          │
  ├──────┼──┼────────────────────────┤
  │HEWIN   .ICN│BIN │HEwin 用アイコンデータ（TownsMENU 用アイコンデー│
  │            │    │タファイルと構造は同じ）                        │
  │HEWIN   .ITM│BIN │HEwin 用アイテム登録データ                      │
  ├──────┼──┼────────────────────────┤
  │HEWIN   .ENV│BIN │HEwin 用環境保存ファイル（HEwin 終了時に環境保存│
  │            │    │を指定すると作成される）                        │
  │HEWIN   .APL│BIN │ウィンドゥ状態の保存用ファイル（HEwin 終了時に自│
  │            │    │動作成される）                                  │
  │HEWIN   .MAC│TXT │CCI 用，各種環境保存ファイル（HEwin 終了時に自動│
  │            │    │作成される）                                    │
  ├──────┼──┼────────────────────────┤
  │BGM     .DLL│BIN │BGM 演奏用DLL                                   │
  │IMG     .DLL│BIN │画像データ表示用DLL                             │
  ├──────┼──┼────────────────────────┤
  │CENTER  .DAT│BIN │通信機能のセンター登録データが保存されるファイル│
  ├──────┼──┼────────────────────────┤
  │TDPTMP  .TBL│TXT │テキストエディタ用テンプレートデータ            │
  │TDPHELP .WHF│TXT │テキストエディタ用ワードヘルプ説明ファイル      │
  │TDPHELP .WHI│TXT │テキストエディタ用ワードヘルプインデックスファイ│
  │            │    │ル（ワードヘルプ機能を使うと作成される）        │
  ├──────┼──┼────────────────────────┤
  │拡張子  .CCI│TXT │CCI 用プログラム                                │
  │拡張子  .RPL│TXT │マルチリプレース用データ                        │
  │拡張子  .KST│TXT │テキストエディタ用キーカスタマイズデータ        │
  │拡張子  .HLP│TXT │説明ファイル                                    │
  └──────┴──┴────────────────────────┘


**************************************************************************
☆  その他，注意・補足
**************************************************************************


●かな漢字変換とキー操作について，

　かな漢字変換中，入力速度が早いと未確定文字の表示位置更新が間に合わないと
きがあります（ちょっと入力が早いとたいてい間に合わないと思います）。
　実際の入力は正しく行われますので，気にしないでそのまま入力してください。

　HEwin ではメニュー等のダイアログを表示するときには（かな漢字変換が有効と
なっている場合）入力モードを強制的に「英小」に切替えます。入力モードが「か
な」の状態でメニューを呼び出したとき，間をおかずキー入力を行うと「英小」へ
の切替えが間に合わずに不必要な未確定文字が表示されてしまう場合があります。
　そうなった場合も，あわてずさわがず[取消]キーを押して未確定文字を消してく
ださい。
　また，未確定文字が表示されずに全角文字を入力してしまった場合は，次の動作
が文字列の入力だったりするとゴミが入力されてしまいます（ようするに２バイト
文字の２バイト目だけが入力されてしまいます）

　もう，ひとつ問題がありまして，たとえば英数入力で「英大」にしておいて，「
かな」にいったん切りえて，再び「英大」（JIS キーボードだと｢ひらがな｣キーと
か押して）にすると，「英大」に戻るのがあたりまえなのですが，HEwin では「英
小」になることがあります。
　「かな」の状態で，かな漢字変換を完全に無効にしたり（「FEP OFF 」と表示さ
れる状態），ダイロアグやメニューを開いたときにプログラム内で「英小」に切り
換えると，英小／英大のモードは忘れてしまう（もしくは設定できない）みたいで
（裏シフトモードとでもいうのかな？），英数入力にしたときは「英小」になって
しまいます。
　これは，解決策が思い浮かばなかったので，そういう仕様ということになってし
まいました。


●説明ファイルについて，

　HEwin ではヘルプ機能のために説明ファイルが収録されています（拡張子が.HLP
となっているファイルがそうです）。
　このファイル内容は通常のテキストファイルですので，テキストエディタで読み
込んで編集できます（プリンタ等で印字もできます）。

    ※  説明ファイルのタブサイズは４となっています。


●全角文字を含むファイル名について，

　全角文字を含むファイル名については，（きちんと動作するかどうか自信がなか
ったもので）表向きサポートしていないと書いていますが，たぶん大丈夫とは思い
ます。
　HEwin では，HEatでの全角文字の対応がまずそうな部分を修正したもの（ファイ
ル名解析ルーチンと仮にしておきましょう）を使っています。
　普段，全角文字を含むファイル名というのをほとんど見たことないので（うちの
ハードディスクの中にはひとつもなかった…），本当にきちんと動くかどうかの確
認はしていません。


●パスの区切り文字について，

　MS-DOSや TownsOSはパスの区切り文字は(*1)円記号「￥」ですが，HEwin では円
記号に加えスラッシュ「/」 を使うことができます（HEwin 内部のファイル名の指
定はほとんどスラッシュが使われています）。

  (*1)  円記号「￥」は，HEwin ではバックスラッシュ「\」 として表示されます。


●テキストファイルの更新について，

　テキストエディタのファイル更新（ファイル保存）動作についてですが，
　普通のまっとうなエディタは，既存のファイルを編集したとき，元のオリジナル
ファイルは残したまま新しくファイルに保存して，正常に保存されたことを確認し
てから，元のオリジナルファイルを消去する（もしくはバックアップファイルとす
る）といった動作を行っているはずです。
　しかしながら，HEwin は（HEatもそうなのですが）おそろしいことに元のオリジ
ナルファイルを直接書き換えてしまいます。
　ファイル保存に失敗すると，当然のことながら元のオリジナルファイルまで破壊
されている可能性がありますので注意してください。
　ファイルの保存に失敗したときは，成功するまで繰り返してください（ディスク
容量が足りずに失敗したときは新しいディスクを用意するとか，ファイル名を変え
るとかして）。そうしないと，せっかく編集したファイルが消えてなくなってしま
います。


●画面モードに関して，

　HEwin の起動時オプション「-scnMode」ですが，説明ファイル（MAIN.HLP）には
「０または４」が指定できるとしていますが，実際には，０～４まで指定できます。
　各画面モードは以下のように設定されます。

      ┌───┬────┐
      │mode  │解像度  │
      ├───┼────┤
      │０    │640×480│
      │１    │656×496│
      │２    │736×496│
      │３    │768×496│
      │４    │736×480│
      └───┴────┘

　１，３は少々無理があったようで（CRTCの設定が悪かっただけかもしれませんが，
）あまり実用にはならないと思います。
　736×496（-scnMode 2）ならかろうじて実用になるようです。

　１～３は，将来設定が変わる可能性があるので，使われる方はそのつもりで。

●  ネイティブモードの子プロセスプログラムの呼び出しについて，

　ネイティブモードの子プロセスプログラムに渡すパラメータは，system “Pirde”
DTA ライブラリの仕様に従っています。
　パラメータは，レコード名「$MainArg」のレコードに文字列として設定されます。
　表示情報は，レコード名「$DspCtrl」のレコードに設定されます（表示情報の内
容についてはLHx のソースを見て調べてください）。

　ネイティブモードの子プロセスプログラムを起動は挙動不審な点がありますので，
（ときどきハングアップしてしまう…）使うときは実行前に編集中のファイルは保
存したほうがいいでしょう。


**************************************************************************
☆  参考資料
**************************************************************************


    High C Compiler V1.7 ユーザーズマニュアル                   （富士通）

    High C Compiler V1.7 ライブラリリファレンス                 （富士通）

    Ｃライブラリ V2.1リファレンス                               （富士通）

    拡張ライブラリV2.1リファレンス                              （富士通）

    FMＴＯＷＮＳテクニカルデータブック                  （アスキー出版局）
    千葉憲昭 著

    富士通FMR シリーズ徹底解析マニュアル  増補改訂版            （ＢＮＮ）
    インタープログ 編

    Oh!FM 1988年10月号                                    （ソフトバンク）
    「Ｃ言語で組む電卓プログラムは構造化されていてトーゼンなのだ」
    城所　仁

    Oh!FM 1990年４月号                                    （ソフトバンク）
    「陰極管表示免許皆伝の書」
    Waku Factory

    Oh!FM 1991年３，４月号                                （ソフトバンク）
    「高速文字表示ライブラリの作成」
    MIYAZAKI＆（山）

    Oh!FMＴＯＷＮＳ 1992年２月号                          （ソフトバンク）
    「システムファイルの中身を探る」
    sugi

    Ｃ MAGAZINE 1992年５月号                              （ソフトバンク）
    「Information from Compiler Makers」 FUJITSU
    High C Compiler V1.7 L10拡張ライブラリ  12ドットフォントの使用方法


    スクリーンエディタ  WINK
    作者    ：  MIYAZAKI
    入手先  ：  フリーソフトウェアコレクション５

    女性専用通信プログラム  WHISPER
    作者    ：  Nanno-NET WHISPER作成委員会 MIYAZAKI & YUMI ...
    入手先  ：  フリーソフトウェアコレクション５

    Ｃ言語ライクなインタプリタ言語  CCI
    作者    ：  MIYAZAKI
    入手先  ：  Nanno-NET

    CD辞書検索プログラム    DIC
    作者    ：  MIYAZAKI
    入手先  ：  Nanno-NET

    yacc - LALR(1) 文法からパーサを生成する KM-yacc ver 2.0
    作者    ：  森　公一郎
    ※  NIFTY-Serve のフォーラムFPL からダウンロードしましたが，日経MIX が
        転載元だと思います。


**************************************************************************
☆  謝辞
**************************************************************************

　DOS コマンドの実行部分はMIYAZAKI師匠，（山）氏が作成されたプログラムを利
用させていただきました。
　Ｃ言語インタプリタCCI とCD辞書検索ルーチンはMIYAZAKI師匠が作成されたもの
です。
　Ｃ言語インタプリタCCI の開発には，森　公一郎氏が作成されたKM-yacc ver 2.0
をHigh C Compiler V1.7で再コンパイルした物を使わせていただきました。
　CCI のソースリストを変換するcpp （プリ・プロセッサ）はGigo氏が作成された
ものを利用させていただきました。
　描画ルーチンの一部にKAROU･UOTA氏，MIYAZAKI師匠が作成されたプログラムを利
用させていただきました。
　ウィンドゥ関連高速描画ルーチンとスタンダードMIDIファイル解析部はHONESEN
氏が作成されたプログラムを利用させていただきました。

　HEatの時と同じく某55HPメンバーの皆様にデバッグ＆チェックを手伝ってもらい
ました。
　また，HEwin が強力なテキスト編集ツールとして仕上がったのはＹ氏の強烈なプ
レッシャー（笑）があったおかげです。すくなくとも，ワード単位の削除，削除バ
ッファの設置，マルチリプレース，行単位・矩形範囲のカット＆ペースト（副産物
として罫線，矩形編集）などはすべてＹ氏の要望が発端になっています。

　皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。


**************************************************************************
☆  最後に，
**************************************************************************


　HEatはファイルセレクタのテストルーチン（テキストビュワー）が発展して仕上
がったものなのですが，今回のHEwin は最初はドロー系のグラフィックエディタに
するつもりだったのがこうなってしまいました。
　グラフィックエディタを動作させるベースとしてマルチウィンドゥを実現するル
ーチンを作りはじめたのですが，「テキストエディタはやはり基本かな」と思いは
じめ，「アイテム登録で色々なツールを起動できるようにしよう」とか，「んじゃ．
ファイルマネージャもいるかぁ」とか，やってるうちにこんなになってしまいまし
た。

　HEwin では，HEatを作成したときの経験から２つの目標を立てて設計・開発して
みました。

　ひとつは，外部参照・定義ファイルをなくべく少なくすることことです。
　おかげで，HEwin を動作させるのに最低限必要なのはHEWIN.EXP とHEWIN.CCI の
ファイル２つだけになりました（HEatはたくさんの外部ファイルが必要でしたから
）。
　必要なファイル数が少なくなったことで，（印象として）インストール作業は楽
になったと思いますが，これはメモリの大量消費に拍車をかけてしまいました。
　本来ならメモリに残しておく必要のないものまで，プログラムの内部に格納して
いるということです（BASIC のDATA文でデータ定義して，配列に読み込むのとも似
ています。テキストと配列と同じデータを重複して持つような…）。

　今回は最初から『メモリとディスクの空きはたっぷりある』ということを前提に
していたので，しょうがないかなと思ってます。

　もうひとつの，目標はGUI を（HEatよりは）前面に打ち出すということです。
　HEatはMS-DOS上のRED2ライクなテキストエディタの上に色々な機能を構築してい
ったのでマウス操作などはどちらかというと，おまけ的なものでした。
　HEwin は一応最初からマルチウィンドゥ環境とマウス操作を意識して作成しまし
たから．それなりにはGUI 環境になったと思います。
　しかし，自分で作ってるうちに，
    GUI とは耐えること
…なんじゃないかと思うようになって，GUI を前面に出しては見たものの最後は僕
が耐えきれなくなったのでキー入力主体の部分をちょっと（かなり!?）作ってしま
いました。

　そういえば，もうひとつだけ目標というか，指標を設けました｡
　それは，『多少のバグには目をつぶる』ということです。
　今回は，気がついたバグでもかなりそのままほうってあります。全部修正してた
ら体がもたないもので…（体を壊すのが先かHEwin が完成するのが先かと，マジに
思ったくらいで）。
　画面が乱れるとか，ときどき変な動作するとか，そのくらいは勘弁してください。
　致命的な障害（何かの機能を使うとハングアップするとか）が発生したときは，
報告してください。


                    ＊              ＊              ＊

　HEwin は自分でもちょっとメモリを無駄に使い過ぎたかなと思ってます。
　メモリ10Ｍ積んであるTOWNS でも（RAM ディスクも使っていると）きついくらい
です。
　途中で，これではあまりにひどいと思ってメモリ対策を少ししてみたのですが，
焼け石に水…。メモリ対策よりも，機能追加するスピードのほうがはるかに速い…
（最後の１週間で100Ｋバイトくらいプログラムサイズが膨れました）。
　HEwin では起動時のフリーメモリが２Ｍバイト残ってなかったらメモリ不足と考
えても，そう間違ってないと思います（２Ｍバイト残っていればとりあえずは使え
ますけど，ウィンドゥをたくさん開いたらつらいと思います）。


                    ＊              ＊              ＊

　当面はHEwin に色々と機能追加していこうと思ってますので，いつかはグラフィ
ックエディタも付くかもしれません。

　これ以上，機能追加したらプログラムサイズは更に爆発することは分かりきって
います。「要10Ｍ」なんてのも時間の問題!?
　…ではちょっとまずいので，今回の構成のHEwin ，つまり
    アプリケーションセレクタ
    ファイルマネージャ
    DOS コンソール
    通信ターミナル
    テキストエディタ
    TIFFビュワー
をHEwin と標準形態（HEwin/standard）として，これに機能が追加されたものは
    HEwin＋HE386/HEPLAY
とかして（本当にこれが登場するかどうかはわかりませんが），別プログラムとし
て発表することにします。
　本当は子プロセスのような形で外部プログラムを追加して拡張するなんてことが
やりたかったのですが，現状ではちょっと無理みたいですので，ウィンドゥ・アプ
リケーションを追加したときは新規に発表という形になってしまいます。
　今から先のこといってもどうなるかわかりませんので，
　とりあえずは，HEwin の世界をお楽しみください。

                                                       1992.10. 4 TaroPYON


                    ☆              ☆              ☆


　ここからは，HEwin ver.1.01b についてです。
　開発マシンが20F からHR（ODP 付）にかわりました。HEwin がこんなにカルイも
んだとは思いませんでした。目玉10個くらい出してもどうってことないです。通信
もマルチウィンドゥですいすい動きます。

　HEwin ver.1.01b の主な変更点は，
    ・ファイルダイロアグの機能・デザイン変更
    ・ネイティブモードの子プロセスプログラムを起動できるようにした
    ・BGM 演奏部分と画像データの表示部分をDLL （ダイナミック・リンク・ライ
      ブラリ）にした
    ・通信ターミナルウィンドゥを完全マルチウィンドゥで使えるようにした
    ・テキストバンイダの装備
といったところです。

　ファイルダイロアグは今までのものとはまったく違うものにしました。このため
CCI のファイルダイアログ関連の関数がかなり変わっています。

　ネイティブモードの子プロセスプログラムについては，今のところ起動できるも
のはLHx.EXP （LHa のネイティブモードプログラム）と，ZNSPLAY.EXP （動くざん
す動画データのプレーヤ）があります。LHx はソースリストを公開していますので，
ネイティブモードの子プロセスとして動作するプログラムを作りたい方は参考にし
てください。
　しかし，ネイティブモードの子プロセスプログラムの起動は挙動不審なところが
あってときどき暴走してしまうようです。ネイティブモードの子プロセスプログラ
ムを使うときは実行前に，編集中のテキストファイルは保存したほうがいいでしょ
う。

　BGM 演奏部分と画像データの表示部分はHEwin 本体から切り離してDLL にしまし
た。IMG.DLL は現在TIFF形式しかサポートしていませんが，IMG.DLL を差し替える
だけでTIFF形式以外の画像データにも表示できるようになります。といっても，今
のところ他の画像データ形式をサポートする予定はないのですが，IMG.DLL はソー
スリストを公開してますので興味のあるかたは自分で改造してください。
　BGM.DLL はスタンダードMIDIファイルとEUP 形式の演奏データをBGM として演奏
するためのプログラムです。ZNSPLAY でも使われています。

　通信ターミナルウィンドゥのマルチウィンドゥ化は，「AWK のようなツールを組
み合わせてリアルタイムにログを加工しながら通信できないか」，というMIYAZAKI
師匠のアイデアが発端となっています。
　ログの加工はAWK ではなくCCI で行っていますが，HEwin のCCI は正規表現によ
るパターンマッチングを行う関数もありますので，けっこう簡単にできました。
　また，オンラインフィルタのIDをハンドルに置き換えて表示する機能は，PONKARA
さんのアイデアを取り入れて付けました。

　テキストバインダは複数のテキストファイルをまとめて管理するための機能です
が，複数のファイルを同時に編集するときに使うと便利です。
　HEwin は大規模のテキストファイルを編集する用途としては，かなり強力なツー
ルとして仕上がったと思います。
　今やHEwin のソースリストはHEwin でないといじれなくなっています（HEwin の
ソースは 300ファイル，２Ｍバイト以上あります。ライブラリまで含めると 600フ
ァイルを越えます）。

　メモリをおもっいきシ増設してHEwin の世界をお楽しみください。

                                                       1993. 2.24 TaroPYON